Never say never

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「ただのイケメンなエロ狼」 空が俺のかわりのように答えて、俺はぐりぐりと空の頭に拳を当てる。 なんにも知らないんだから、余計な情報を与えなくてもいい。 意味はわからないけど、ファンはファンでいい。 「イケメン?私、もっと男らしいのがいい」 「野球部いいよね」 と、否定されると少しつらい。 俺も晃次みたいな男前になりたかった。 BLにするとネコといわれるようなのは嫌だ。 それでもモテないこともない。 ちょっとは自分に自信ある。 空の友達と空は一緒に行動することもなく、花火が打ち上がる時には二人で夜空を見上げていた。 去年と同じ駐車場。 穴場かもしれない。 人混みでもなく、騒がしくもなく、のんびりと花火を見ることができる。 「空にはイケメンに見えるんだ?俺」 「黙秘」 かわいくないけど、見えるからああいう言い方になったとしておこう。 かなりうれしい。 「空は俺のことモテモテというけど、狙うモテモテばかりじゃないからな?友達多いっていうのが正しい。話したこともないのに俺のことを嫌うやつもいるし、みんなに愛されているなんてこともない。普通」 「普通よりモテると思う」 「そうか?助けてやれば気に入ってもらえるってくらいじゃないか? それより俺は空にモテたい。毎日一緒にいられるわけじゃないし、空が今何に悩んでいるのかなんてすぐに気がついてはやれないし。何かあったら言ってくれよ?俺にできることはするから」 「もう…。なんなの?そういうの言うの恥ずかしくない?」 「全然恥ずかしくない。 で、空。なんでいきなり女になっていってるんだ?ショートカットでメガネで少年っぽいままのほうがモテそうになくていいとおも…」 言い切る前に顎の下を叩かれた。 痛い。 舌噛むところだった。 「モテそうにないからいいってどういう意味っ?モテそうな女になりたいって思ってもいいじゃないっ。男ウケ狙って悪いかっ?」 「悪い」 「だったら、りっくんが女ウケしなさそうな男になりやがれっ」 え?そうなる? ってか、俺、女ウケなんて狙ってないし。 でもやってみてやろうじゃないか。 空ウケがいい男ってどんなのだろう?
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