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初めてつきあったのは中学2年だった。
同学年で一番かわいいと言われていた、目がぱっちりした長い髪の子。
告白されたのは俺。
緊張しながら頷いたのを今でもはっきり覚えている。
学校が終わると、彼女を家にお持ち帰り。
自転車の荷台に乗せて、楽しく話しながら、共働きで親のいない俺の家にあげる。
家にはたいしたものは何もないし、途中のコンビニで紙パックのジュースとスナック菓子を買ってきて。
狭い俺の6畳の部屋に連れ込んだら、今年受験だといっても、勉強する気もなく、楽しく話して笑って。
いつからか、どこからか、なぜかそういう雰囲気になってキスをする。
俺の彼女になってくれるのは、かわいい子ばかり。
俺もイケメンと言われて、美男美女とまわりから羨まれる。
そこは俺の自慢ではあるけど、俺は告白されるほうであって、自分から狙っていってるわけでもない。
かわいい彼女と言われるのは、かなりの自慢ではある。
あるけど、これ、5人目の彼女だったりして、もう浮かれたものもない。
またどうせ、あれが嫌だとかこれが嫌だとか言って、俺も相手の嫌なところを見て別れるんだろって思っているから。
まぁ、楽しい。
キスもセックスも好きだし。
気持ちいいことをしているときは夢中になる。
ただ、この彼女、今までの彼女よりも喘ぎ声が大きかったりする。
「あっ!あぁんっ」
なんて遠慮なく声をあげられて、俺は慌てて行為を止めて、その口を手の平で塞いで、あたりの物音を探る。
親はいない。
いないが。
俺は部屋の窓を見て、向かい側のカーテンを閉められた窓を見る。
家と家の距離が近い。
1mも、もしかしたらないかもしれない。
そんな密接住宅地の中に俺の家がある。
聞こえる。たぶん。
その向かい側の窓のカーテンの気配を俺はみている。
その部屋は俺の1つ下になる幼なじみが使っている。
幼なじみというより、もう兄妹みたいな、親戚みたいな近い距離の女なのだけど。
彼女に視線で訴えかけられて、俺は少しだけ控えめにしてみる。
「声、あんまり出しちゃダメ」
「だっ、て…っ、んっ…ぅ、出ちゃう…っ」
必死に声を出さないようにしているそれもいいかもしれない。
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