辞めるとか言ったけどただの転校だった

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母さんに促されリビングのソファに座り待機する クッキーを焼く甘く香ばしい香りがしてくる それにしても懐かしいなと部屋を見渡す 模様替えはされていないし母さんがいつも掃除をして綺麗にしているから別段変わったことはない そうやってぼーとしているうちにクッキーを持った母さんが戻ってくる 「は~いお待たせ!ママの手作りクッキーよ~!」 母さんは俺の隣に座ってクッキーを一枚差し出してきた 「凛夜ちゃん、はいあ~ん」 「いやいや自分で食べれるよ…」 「むう…いいじゃない久しぶりなんだからこれくらい…」 前もこういうやりとりはよくあったのでやはり懐かしいと思う むすっと拗ねたように口を尖らせて差し出していたクッキーを自分で食べ始める 普通ならいい年した人が…となるところだが若々しくて美人な母さんだと全然そんなこと思わない 違和感仕事しろ… 自分もクッキーを口に運ぶ それから母さんと談笑しているうちにいつのまにか夕方になっていた そろそろ兄弟が帰ってくるころだろうか?
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