苦くて、甘い。

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咄嗟に謝ろうとした瞬間だった。 「……お前が、俺のこと、『好きだった』って言ってくるから」 「っ」 え、 ちょっと、待って。 「な、何ですって……?」 動揺のあまり、言葉遣いが変になる。 お前が、俺のこと、『好きだった』って言ってくるから……? 「あー……、やっぱり覚えてねーか」 ガシガシと髪を掻き上げる柾紀さん。 その表情は髪の毛に隠れて見えない。
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