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「神の御導きにより、二人を夫婦と認めます。」
ステンドグラスが二人をキラキラと照らしてくれて、まるで祝福の光のシャワーを浴びているような錯覚を起こす。
一年前の今日、彼は挑戦のような、それでいて最高の告白を私にくれた。
翌日、彼からもらった勇気を振り絞り彼女がいることを知っていると伝えると、
『今までそれでも上手くやってきただろ?このままでも問題ないじゃん』
と悪びれもなく言われていまい、私の心は見事に砕かれた。
それを報告すると、『自業自得だ』と決して優しい言葉はかけてくれない彼。
けれどゆっくりと私の頭を撫で、すっぽりと包み込んでくれるその胸に、いつからか心の蓋は外れだしていった。
そして一年後のバレンタインの今日、彼は本当に予告通り、私ごと甘いチョコレートを手に入れた。
あの日のとてもビターなチョコレートボンボンは、一年かけて蕩けそうな甘い甘いハートのチョコレートへと変わっていったんだ。
式の直前に渡した愛情たっぷりのチョコレートを開けると、
『お前からの手作りチョコなんて小学生以来だ』
と、とても嬉しそうに笑ってくれた。
その笑顔を見て、そういえば私の初恋は彼だったなと思い出したのは…。
しばらくは秘密にしておこう…。
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