第1章

3/3

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「おい莉子!さっさと起きて飯作れ!本当役に立たない子ね。」 『ごめんなさい』 朝から嫌味を言われながら朝食を作る。 私がご飯作るのは別にいいけど、そんな言い方されると本当嫌になる。 今日はフレンチトーストを作ろう。昔、お母さんは私にフレンチトーストを作ってくれた。 少しでもあの時の気持ちを思い出してくれるかな… そんな淡い期待を込め母に渡してみた。 「なにこれ…。汚いわね。こんな汚い物私に食べろって言うの??信じられないわ!」 信じられないのはこっちよ…!ふざけないでよ。もう涙が出そう。 『っ、すぐ作り直します。』 でも、弱虫な私は何も言えずに作り直すしかなかった。 今度はお母さんの好きなピザトーストを作った。 「ふんっ。さっさとそれ作っとけば良かったのよ。」 本当、嫌になる。 母は人に感謝できない人なのだろうか。別に今更されてもなんとも思わないけど。そんな生き方しかできない母を少し可哀想に思った。 「死ねばいい。」 小声で呟いたのに聞こえていたらしく、後ろからリモコンを投げつけられる。 頭に当たって落ちたそれは玄関に放置して、私は家をでた。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加