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学校から3つ先の駅にある こじんまりした喫茶店。 ジャズの流れる店内に 客は誰ひとりいなかった。 僕は指定されたその店に入り 一番奥のテーブル席に座った。 マスターは見慣れぬ制服姿の珍客に さほど興味もない様子で。 水の入ったグラスとおしぼりを並べると 注文だけ取ってさっさとカウンターの奥へ戻って行った。 僕の手の中には――。 いまだこの喫茶店の場所と指定時間が記された メモが握られていた。
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