萌ゆるオタク

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「……」  俺はもう、声すら出せなかった。理解不能な現状に対してもそうだが、何よりも萌え過ぎてそれどころではないのだ。  何故って、光に包まれてからというものの催眠の如く、萌えボイスが繰り返し聞こえるのだ。それも、今までよりもっと人間らしい色のある声だ。  授業も、戻ると約束したことも、どうだってよくなった。    そうして、豚と化した俺にトドメを刺すが如く、彼女は告げた。  ーー助けて、ルーカス。 「フヒヒ」  薄れる意識に身を委ねながら、俺は萌え続けていたーーオタクとして。  
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