第1章

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「ね、ライン教えてよ。今度デートしよ。」 「ライン…?」 僕はぽかんと聞き返した。 「え」 彼女は目をパチクリさせた。 「携帯はもってるの?」 「うん…。これでしょ?」 僕はポケットから携帯を出して渡した。 「うわ…。ガラケー…。」 彼女はキョトンと僕の携帯を見た。 「ガラケー…?」 「あーもう。とりあえず私の番号いれとくから。次の休みいつ?」 「うんとね、明日だよ。」 「ほんとに?私も休みだから…。今実家なの?」 「うん。昔のままの家だよ。」 「おっけー!じゃあ迎えにいくからさ。明日10時に家の前いて?」 「うん。わかった。」 僕はそのまま仕事に向かった。 僕の職場は、家電製品の修理工場だ。 昔から機械いじりが好きだった。 同年代から見れば、収入は三分の一くらいだ。 残業もないが、収入も少ない。 仕事は楽だが、技術はあまり見につかない。 正直誰でもできる仕事だ。 しかし、僕は働けるだけで幸せだった。 3年前から比べれば、目覚ましい進歩だ…。
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