第1話

新しい生活

三嶋悠斗（はると)は　東京都八王子市で生まれ　小学４年の時　親の離婚で　母親と共に　栃木県鹿沼市に越してきた。

中学　高校と　やんちゃで　何度も　警察のお世話になっていた。

「もしもし　千恵子　今から　家に来いよ。」

（今から？もう　夜の９時だよ。それに　お母さん居るんでしょ？)

「社員旅行で　居ないから　大丈夫だよ。」

（じゃあ　今から行くね。)

田川千恵子は　同じ高校に通う彼女で　一年生の時に　付き合い始め　一年半経っている。

家は　自転車で　五分もかからないが　学区の境目で　中学は　別だった。

ポッチャリしていて　笑顔が可愛い女の子で　悠斗のワガママに　一生懸命　ついて来た。

「今晩わ。」

「上がって来いよ。」

「お邪魔します。」

悠斗の家は　市営住宅で　一階は　キッチン　ダイニング　お風呂　トイレがあり　二階に　階段を挟み　四畳半の部屋が　二つある。