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.:*:。一芸に達するものは諸芸に達する・゚:*:・'°☆
「玉袋先生、まだ要りますか?」
扇喜が重そうに抱かえてきてくれた図鑑をおろし『ふう~、重かった』と額の汗を拭い椅子に座った。
「すまなかったでおじゃる。今回のテーマはアニマル…つまり動物に絞ることに決めたでおじゃる」
「ふ~ん…当然、アソコスキー先生の好みですか?」
「ぶっは…何を奇妙奇天烈摩訶不思議なことを…」
焦って手に取った図鑑を足の小指に落としてしまったでおじゃる。
「だって玉袋先生ってアソコスキー先生のこと好きっショ?隠してるつもりだろうけどバレバレですって」
足の小指を押さえ転げ回る麿を足を組み扇喜はニッコリ見下ろした。
「なっ…」
「アソコスキー先生にはセコンド頼まなかったんですか?」
麿の手を持つと引っ張り起こし、麿を椅子に座らせる。
「さ…先に一之瀬先生に…」
「はあ?あーあ…もたもたしてるから…チャッチャと狙った獲物には唾つけないと」
「面目ないでおじゃる…」
小指の痛みも吹っ飛んで俯く麿に『またぁ』とダダスーツのてっぺんを引っ張り、麿の顔を上げる。
「玉袋先生はすぐにそうやって下を向く。それじゃあアソコスキー先生に顔だって見えないっショ?」
「麿…本当は自分に自信がないんでおじゃる…」
「なんでです?彫刻選手権四連覇なんて、まだ誰もやったことないのに…」
「麿は背もさほど高くもないし、筋肉も全然足らず形も悪いでおじゃる」
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