.:*:。一芸に達するものは諸芸に達する・゚:*:・'°☆

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『はっ…』と扇喜は鼻で笑った。 「アソコスキー先生のタイプとは違うけど、玉袋先生の良い所もあるじゃないですかぁ…俺なんかより10年近く人生経験あるのにわかんないんですか?」 「麿の良い所なんて…」 「凸凹の凹ばかりを必死に埋めようとしないで、凸を伸ばす。すると自ずと凹のへこみが少なくなってくるって、どこかの大学の先生が言ってましたよ」 「凸を伸ばす…」 目から鱗が落ちた気がした。 無理をして作った麿は、麿から見れば麿じゃないでおじゃる。 なら、今の麿を輝かせる!でおじゃる。 そうすれば、アソコスキー先生だって、麿のことを… 「あんまり飛躍した妄想は一人の時にして下さいね」 「ま…麿は何も…」 「鼻の下が伸びて、鼻の穴が極太サラミがぶちこめそうなくらい広がってましたよ…気を付けないと、変態顔過ぎて職務質問受けますよ」 『クククッ…』と笑い麿に『わかりましたか?』と念を押す。 「わか…ったでおじゃる。以後、注意するでおじゃる」 「かしこまらないで下さいって。さあて、それじゃあ今から彫刻選手権での作品について考えましょうか」 扇喜が個性派問題児揃いの絆愛高等学校の生徒の中で、生徒会長より難易度の高い寮長に選ばれた理由が、少しわかったでおじゃる。 強さは勿論必要でおじゃるが、人を引っ張る力に長けている。 絆愛には向いており、また必要な人間でおじゃるなあ。
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