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「そーうま!珍しいね、ぼーっとしちゃって。」
風紀室で事務作業をしていると、後ろから飛鳥先輩に抱き締められた。
「いえ、なんでもないですよ?...そうだ先輩、知ってますか?クリスマスの夜にしか咲かない花の噂。」
「そんな花があるの?副委員長知ってた?」
同じく俺の正面に座り書類を片付ける副委員長に飛鳥先輩は問い掛ける。
「ああ...そんな話もありましたね。なんの信憑性もない、ただの噂ですから...」
相変わらず冷静な対応だな...
「僕初めて聞いたよ!詳しく聞かせてよ!」
「嫌ですよ面倒くさい。」
「...副委員長僕のこと嫌いだよね。」
「嫌いではありませんよ?手が掛かるとは思ってますけどね。」
副委員長は嫌いなら無視しそうだしな。
「仕方ありませんね。一度しか話しませんからちゃんと聞いといてくださいね?」
それから副委員長は、俺が擢兎先輩に聞いたものとほぼ同じ内容を飛鳥先輩に話して聞かせた。
「へぇ...じゃあその花があれば両思いになれるんだね!」
純粋という言葉で捉えていいのか、飛鳥先輩はこの話を信じてしまっている。
「貴方は...もういいです...ハァ...」
副委員長も大変だな。
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