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脚のあいだがじっとりと濡れている。
彼は淫らな妄想をわたしの内に感じているのだろう。
彼の目に熱っぽく野性的な眼光が宿り、魅力ある口許が邪悪に笑んだ。
「もう準備ができているようだが」
大柄な手がわたしの頬を滑る。
誘うような声。
期待と熱とでぼんやりと目を潤ませるわたしが考えていること、今から言おうとしていることくらいお見通しなのだろうと思う。
「待ってたから……意地悪言わないで、ジャクシル」
掠れ声で弱々しく発して、甘えるように両手を伸ばし、ジャクシルの頬を挟み、彼の銀色の瞳を見上げる。
獰猛に光る銀に挑戦的に射すくめられ、次の瞬間、ベッドの柔らかさがわたしを受け止めていた。
「そうか、では、隅々までいただくとしよう」
カーマインの髪がわたしの視界を覆った。柔らかな髪が顔にかかる。
重力で広がる膨らみを逞しい大きな手に覆われ、ゆっくりと弧を描くように揉みしだかれる。
先がぷっくりと膨らんでいく感覚が次なる行為への期待を呼んで、わたしはジャクシルの髪の一端をそっと握った。
生暖かいものが熱を持って固くなった敏感な箇所をピンと撫で付けた。
それは彼の魅力的な唇の悪戯。
温かなものに吸われ、わたしはくぐもった声を上げる。
からだが蕩けそう……!
びくんと小さく震えて、吐息を漏らし始める。
執拗に責め立てるものは、それだけで満足はしなかった。
誘うように、ゆっくり動かされる胸を愛撫する手が残った片胸の先を撫でまわす。
びくんと跳ねて、与えられる甘い甘い毒に腰が自然と前後に揺れてしまう。
彼の笑い声が聴こえた気がした。
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