好きのタイムリミット

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そして玲は言った通り卒業式から1ヶ月もしないうちに俺のところへやってきた。大学は秋からだというのに気が早いと言えば。 「こっちの生活にも慣れておきたいし、秋まではべったり貼り付いていられるだろ?」 と宣った。宣言通り、こいつは俺のそばを離れない。大学にまで着いてきて隣で講義を聞いている。 「ほら、愁あーん」 「止めてくれ。羞恥で死ねる」 そしてやたらと甘くなった。今までのお前はどこ行ったと聞きたくなるくらいの変貌ぶりだ。そしてそれを甘んじて受け入れられるのはここが同性愛に寛容な国だからなのと、玲に甘やかされることが存外悪くないと思う自分がいるからだ。 「愁...はっ、愁っ!!」 「くっ、玲っ...」 こうやって体を重ねることも、昔よりずっと良く感じるのは、きっとお互いの気持ちが繋がっているからなんだろうな。 「愁...お前は今幸せか?」 ベッドに横たわり俺を抱き締めたままの玲は、俺の頭上でポソリと呟いた。それはきっと玲がずっと聞きたかったことなんだろう。その問に俺は躊躇なく答えられる。 「幸せだ。玲が俺を必要としてくれて、愛してくれる限り」 「そうか...なら愁はずっと幸せだな。俺の愛はずっと変わらないから」 「うん...ずっと変わらないでくれ」 先のことはまだ分からない。もしかしたらいつかお互いの気持ちは離れてしまうのかもしれない。だけど今、この瞬間だけは通じた気持ちを大切にしたい...そう思っている。 end
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