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―数日後―
職員室で授業のテキストの用意をしていると、あかりの携帯が鳴った。
「くすっ…」
私はまた笑ってしまった。
あかりの着信音は、国民的人気アニメのオープニングソングだった。
あかりは携帯を取り出すと、電話に出ることなく、そのまま携帯を見つめている。
「……?」
あかりが携帯を見つめているうちに、着信音は止んでしまった。
「…あの、一之宮先生はどうして今の電話に出なかったんですか?嫌な人からの電話だったんですか?」
あかりは私の方を見ると、うんっと首を傾げる。
行動がいちいち可愛い。
「着信音って自分の好きな曲にしますよね?だからです。」
「言ってる意味がよく分かりませんが…。」
「好きな曲はずっと聴いていたいでしょう?だからつい聴き入ってしまって、結果、電話に出るのを忘れてしまうんです。」
「…………」
「…………」
2人、沈黙が流れる。
「一之宮先生、着信音を変えましょう!せめて電話に出られる程度に好きな曲に!」
「へ?」
結局、私の勧めで、あかりの着信音は子供向けの童謡になった。
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