258人が本棚に入れています
本棚に追加
『水野先生はお前のことが好きだったから、お前と仲良くしてる一之宮先生が気にくわなかったんだ。
お前、ここ最近ずっと一之宮先生の側にいて、周りが全然見えてなかったろ…?
少しは周りの女性教諭にも気を使って平等に優しくしろ。
他の女性教諭に優しくすることが、一之宮先生を守ることにもなるんだ。
……しかしお前、とうとう女に惚れたな?
もう一之宮先生に夢中だろ?
お前、かなり分かりやすいのな!
じゃあ上手くやれよ!
以上、中村でした!!』
中村のメールを見て私は固まる。
惚れた…?
夢中……?
私があかりに?
…確かに仲良くはしてるけど好きなのかは分からない……
可愛らしい人だとは思う。
他の女性よりも話しやすいし、一緒にいると楽しい。
でも、これが【好き】なのか……?
私があかりの方を見ると、あかりはニコニコ笑って私を見つめる。
「塩谷先生、海鮮鍋の中にサラダのカニカマ落としちゃいました。でも、本物の蟹っぽくなったのでどうぞ!」
おたまでカニカマをすくって、失敗はしたけどすごい発見をした!という顔で、私の鍋の器に海鮮カニカマを入れるあかり。
…すごく愛らしい……
……でも、これからは気をつけよう。他の人にも優しく、みんなに平等に……
彼女はただの仲のいい職場の同僚だ。
そのとき私は認めたくなかったのかもしれない……。
周りが見えなくなるほど一人の女性に夢中になっている自分を……。
最初のコメントを投稿しよう!