君に恋をする

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忘年会が終わって、あっという間に終業式、そして新しい年を迎えた。 正月の間、私は自分の心を整理した。 あかりは仲のいい同僚。 私の周りにはいない人間だから、興味があるだけで、好きとかいう感情を持っているわけではない そう言い聞かせた。 新学期になり、私は3ーCのクラスの担任になった。 副担任は良いことなのか悪いことなのか、あかりだった。 新学期のホームルームで私は生徒たちに言う。 「17といったらもう立派な大人です。皆さん、きちんとした生活を心がけましょう。」 私のその言葉に、一人の女生徒が反論する。 「じゃあ、先生は私たちのこと恋愛対象に見えますか?」 「…え……」 「あっ、言葉につまった。それは私たちのこと子供相手だと思っているからでしょう?」 「先生は私たちのこと子供扱いするのに、私たちに『もう立派な大人です』って言うのはおかしくないですか?」 確かに… これは言い返せないな…… にしても、今の子はすごい… 「そもそも、大人と子供の基準ってなんですか…?」 大人と子供の基準…… 難しいな……いい答えが思い浮かばない… 「塩谷先生が答えられないなら、一之宮先生が教えてください。倫理の先生なんだからそれくらい分かるでしょう?」 生徒全員が後ろのドアの所に立っているあかりに目を向ける。 「えっ?…私…?」 まずいな、このままではあかりに迷惑をかけてしまう。 何とかこの場を収めなければ… 「……そう…ですね…。大人と子供の基準は分かりませんけど、私が大人になったなと自分で思った瞬間はあります。」 あかりは私のことを見ると微笑む。 「塩谷先生、生徒たちにそれを話してもいいですか?」 「…はい、一之宮先生がそうしたいなら是非お願いします。」 私は迷いながらも教壇をあかりにゆずった。
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