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「みんなは今の『トカゲの尻尾の話』を聞いてどう思った?私と同じように『なあんだ』と思った?それとも『わあっ!トカゲの尻尾!?』って思った?」
「前者なら、私の勝手な基準から見れば皆さんは大人です。」
「後者ならきっと子供…というか、まだ子供のような心をもった人かな…?皆さんはどっちでしたか?」
「「「…………」」」
生徒たちは皆、黙っていた。
「今の話で自分が大人と感じたなら、塩谷先生の言うことをちゃんて聞いてください。では、私の話はこれで終わりです。」
あかりはペコリと頭を下げると、私を教壇に立つように促す。
私は急いで教壇に立つと、生徒たちを見回す。
生徒たちは、みんな真面目な顔をして私のことを見つめていた。
「…今日は新学期当日だし、このくらいで終わりにしておきましょうか。では日直の人、よろしく…。」
起立!礼!
全員が立ち上がり礼をする。
無事、ホームルームが終わる。
職員室に帰るため、あかりと2人で廊下を歩いていると、あかりが私に話しかけてくる。
「塩谷先生、すみませんでした。副担任の私がしゃしゃり出てしまって……」
「私、塩谷先生の気分を害したりしませんでしたか?」
「いいえ…」
「よかった!」
私の答えにほっとして嬉しそうに喜ぶあかり。
気分を害したどころか、その反対だ…
抗っても抗っても、あかりに惹かれていく……
もう分かった
認めるよ…中村…
私はあかりのことが好きなんだ……
一人の女性として
あかりを愛している……
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