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塩谷先生はそんな私のまぶたにキスを落とすと、今度は私の唇に深い口づけをしてくる。
「んっ…はぁ…くちゅ…くちゅっ」
私は塩谷先生の肩に手を添えて、その手に力を込め、必死にキスを受け入れる。
キスが終わると、塩谷先生は私のことを抱きしめる。
「あかりとこの先もずっと一緒にいたい……」
「…………」
私も…同じ気持ち……
だけど、それは叶わない……
好きな人と一緒になりたいけど、私は塩谷先生のことを幸せにしてあげられない……
こういう時、自分のこの弱い体を恨みたくなる。
私は何故こんなに体が弱く生まれたんだろう。
何故、心臓なんて患っているんだろう……
塩谷先生のことを好きになっていくにつれて、悲しさも募っていた。
――――――
――――
――
―翌日の学校の帰り―
校門を出て、一足先に塩谷先生の自宅に向かおうと歩いていると、校門の前の車の中から雨宮さんが降りてきた。
「あかりさん、一緒に食事でもしませんか?今日はそのために待ってたんです。」
「……ごめんなさい。まだ婚約中なので一緒に食事に出かけるとかそういうことは結婚してからにしたいです。」
「婚約中はもう結婚しているのと同じようなものですよ。」
雨宮さんは私の手を強引に引いて、車に乗せようとする。
「一之宮先生!」
塩谷先生がその様子を見て、駆け寄ってきた。
私は雨宮さんに無理やり車の中に押し込まれる。
そして雨宮さんは自分も運転席に座り、車にエンジンをかけてそのままその場を走り去った。
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