幸せと不幸せは紙一重

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翌日、疲れた身体で学校へ行くと、昇降口の前で塩谷先生と鉢合わせをした。 私は思わず塩谷先生から顔を背けて、足早にその場から離れた。 「…………」 ★★★★★ 職員室で授業の用意をしていると、塩谷先生からメールが届いた。 塩谷先生の方を見ると、私の方を見ずにテストの点数をつけていた。 「…………」 私はメールを開く。 「あかり、昨日何があったのかは今日の君の様子でだいたい想像がつく。 私は怒ってないし、大丈夫だから、今日、私の家で会おう。 私も自分の立場くらいは、わきまえているよ。 あかりの結婚相手は雨宮さんだ、私じゃない。 私に申し訳ない気持ちなんて、これっぽっちも持たなくていい。 ただ一言いわせてくれ。 好きだよ… どんなあかりでも、私はあかりのことが好きだ。 だから、結婚するまでは私とできるだけ一緒に過ごしてくれ…… 今日、いつものように家で待ってる。」 「……っ」 嬉しかった…… もし、叶うなら塩谷先生と結婚したかった。 …大切にしよう…… 残りの塩谷先生との時間、一日一日大切にしよう…… ―――――― ―――― ―― 私は放課後、仕事を早めに終わすと、塩谷先生の家に向かった。 塩谷先生の家に着くと、塩谷先生はいつものように変わらない笑顔で私のことを迎えてくれた。 「塩谷先生…」 私は玄関先で、塩谷先生に思いっきり抱きつく。 「あかり…」 塩谷先生は私の頬を撫でると私にキスをしてくる。 「んっ…はあっ…ん…」 …優しいキス… 自分がすごく愛されてるって伝わってくる…… 幸せ…… 何でも大きな心で許してくれる塩谷先生の気持ちが嬉しくて、涙がこぼれた。 でも、そんな幸せは長くは続かなかった。
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