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夕飯を食べ終えて、2人でおしゃべりをしていると、急にあかりが私に抱きついてきた。
「…どうしたんだい?」
「…塩谷先生…明日、塩谷先生の家に泊まってもいいですか?」
「え…?」
あかりの言葉に私は驚く。
「…本当はいつも家に帰らなくちゃいけないの嫌なんです。明日は朝まで塩谷先生と一緒にいたい……」
「…………」
私はあかりの両頬を自分の両手で覆って、あかりの瞳を見つめる。
「…あかり、自分が言ってる意味分かってる?私は男だよ。今のあかりの言葉を都合のいいように捉えてしまうよ……?」
あかりは私の瞳を真っ直ぐ見つめて言う。
「塩谷先生の都合のいいように捉えてくれていいです…。私はそういう意味で言ったんですから……」
「…体の具合は?私があかりに望むようなことをしても体は大丈夫なのかい…?」
「平気です。塩谷先生も教頭先生同様、心配しすぎです。」
あかりはくすっと笑いながら私の胸の中に顔をうずめる。
「…塩谷先生との思い出、作りたいから……。結婚しても一生忘れない思い出……」
「…………」
私はあかりを抱きしめる手に力を込めた。
雨宮さんにあかりを渡したくない……
このぬくもりを他の男に奪われたくない……
「あかり…愛してる……」
私はあかりの唇に自分の唇をそっと重ねた。
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