幸せと不幸せは紙一重

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―翌日の放課後― 「塩谷先生、お待たせしました。じゃあ、行きましょうか…?」 あかりと私の家の近くにある駅で待ち合わせをすると、2人で家に向かう。 「……あかりは両親に今日、外泊することきちんと伝えてきたのかい?」 「…今日は女子大時代の友達の家に泊まると言ってきました。……両親に嘘ついちゃいました……」 私の腕に手を絡ませて、少し申し訳なさそうな顔をしてあかりは笑う。 「嘘ついてでも塩谷先生と一緒にいたいんです。私ってかなり悪い娘ですよね……」 私はあかりのほっぺたをつねる。 「…私としては、もっと悪い娘になってほしいな……。雨宮さんとの婚約を解消して私と一緒になってほしい……」 「…………」 私の言葉にあかりは黙る。 「冗談だよ。言ってみただけだ……」 「……塩谷先生、ごめんなさい……」 あかりの瞳にうっすらと涙がにじむ。 「何で謝るんだい?あかりは何も悪くないよ。」 「ううん、私、すごく悪い女なの……塩谷先生、本当にごめんなさい……」 だって今日で塩谷先生と会うのは最後だから…… 明日の朝には、塩谷先生の前から姿を消す。 明日、私は雨宮さんと結婚する…… 結婚式は午後からだから、明日、家に帰る前にお祖父様のいる病院に寄っていこう…… いつも、お見舞い、土日しか行けてないし…… 「あかり、今日の夕飯は何にする?」 「なべ…」 「夏なのに?」 塩谷先生はくすっと笑う。 「ダメ?」 「いや、いいよ。」 私たちは手を繋いで、塩谷先生の家に向かった。
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