幸せと不幸せは紙一重

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―――――― ―――― ―― 「…あかり、痛かったら言って…すぐにやめるから……」 服を脱ぎ捨て、塩谷先生のベットに押し倒されている状態で私は頷く。 塩谷先生は、私の額、まぶた、頬、唇の端に口づけをすると、私の身体に触れ始めた。 「あっ…んっ…」 塩谷先生の私を触れる手や唇で、私の身体中がだんだんと熱くなっていく。 しばらくすると、塩谷先生は私に深い口づけをして、優しい顔で笑って私に尋ねる。 「…あかり、いい?」 「…うん……」 私がそう答えると、塩谷先生はゆっくりと私の中に腰を沈めた。 「…あ……」 塩谷先生と今、ひとつになってる…… 塩谷先生は私の頭を撫でると、ゆっくりと腰を動かし始めた。 ベットがぎしぎしと軋む音がして、それに合わせて私の口から甘い声が漏れる。 「あんっ…あっ…はんっ…」 「…圭介さんっ…愛してるっ……愛してる……」 私の目から涙が溢れてくる。 「っつ…あかり、あんまり可愛いこと言わないで……止まらなくなる……」 「あっ…んっ…」 塩谷先生の動きがしだいに早くなっていく。 「あっ…あんっ…あ…っっ!!」 律動が最高潮に激しくなったと思った瞬間、私と塩谷先生は絶頂を迎え、同時に果てた。 ―――――― ―――― ―― ―朝― 隣で眠っている塩谷先生の寝顔をしばらく見つめる。 昨夜はあの後も、何度も塩谷先生と抱き合った。 「…………」 私は少し目を潤ませて、塩谷先生のベットから出て、服に袖を通した。 「…塩谷先生、今までありがとう。幸せでした……」 私は、塩谷先生の額に口づけを落とすと、塩谷先生を起こさないように、ひとり塩谷先生の家を出た。
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