痛みを分かち合う者

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「健斗~フられちゃったよ~」 清々しい蝦夷梅雨の日の昼休み ひとりで飯を食っていた俺の目の前に元気な声で敗戦報告を発表しにきたのは俺の幼なじみである山田文香だ。 元気な声の癖して顔は涙でぐしょぐしょになっている。 「俺の清々しいボッチ飯の場にそんな鬱々とした話題を持ち出さないでくれ。」 冷たい言葉と思うかもしれないが俺らの間柄では挨拶みたいなもんだ。 通訳すると 「大丈夫か?なにがあったか話してごらん?」なのだが、そんなこと言おうものならどちらも致死レベルの恥ずかしさを受けてしまうので自然とこうなる。 幼なじみとの付き合いなんてこんなもんだ。 「悲しんでる幼なじみは愛おしめ!」 グーが飛んできた… 痛ってぇ 「悪い悪いいつもの癖が出ちゃったんだよ。」 必死に謝る。 どうやら俺の幼なじみとの付き合いかたは間違っていたらしい。
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