才能の限界

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私、雨宮恵美は陸上部に所属している。 長距離専門、というか長距離しかやらないけど。 我が晩成高校の陸上部員は20名、うち7名が長距離である。 そして、その中の4人が女子、ほか野郎。 陸上の説明はやたら長くなる気がするなぁ。長距離と短距離で分けてしまえばいい。実際あいつらとは練習一緒じゃないし。 バスケとかバレーは小さい学校でも女〇〇男〇〇とかってなるもんなんだけど。陸上はそういうのあんまないし。 まあ、そんなところ。 私は長距離の中で一番速い。管内でも(※北海道方式)私より速いのは一人しかいないし、全道(※全北海道大会)でも八番くらいに入る。 専門は1500m それが、私のスキル で、問題は私の前で深刻そうな顔にしているちっこい後輩。小柄な私よりさらに小さい。 名前は、伊藤咲良。 二人いる一年の遅い方。 部内で一番走れない、管内でも最下位を争うレベル。 それが、彼女のスキル。 そんな彼女が私に相談をしてきた。 「才能がないわたしってもうこれからなにを頑張ればいいのかなって、最近思うんです。」 と。
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