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「私たちと楽しくやるじゃだめ?」
そういうと咲良は目を潤ませてしまった。
「私はそれでもいいですけど。
そんな志で一緒にやってる人がいたら。ヤじゃないですか?」
しまった。感情論でかたずけようとしてしまった。
私に求められた役はそうじゃないな。
「そうだね、ごめん。
けど、それじゃあ咲良は、一生懸命頑張るしかないよ。
頑張っても意味がないのを承知で。
頑張ることを頑張る。」
「やっぱり、私の青春は報われないのかな…」
ぽつりとこぼしたその言葉。咲良はほんとに陸上が好きなんだろう。
「確かに上位大会行くことが部活を真面目にやってる人間の目標だ。
そんであんたは才能がない。何やってもだめかもね。」
そんな必死になるものがあるんだからそれはそれでいいじゃない。
「けど、そんなのあんたじゃなくて目標を高く持ってる人もみんな限界を感じるんだ。
だから、実力の悩みなんてまじめに努力した人間の悩みなんだよ。」
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