才能の限界

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「私はめぐさんに陸上諦めて別の道に進めと言われていたら、そうしてたかもしれない。」 それはないだろ、と思う。 「…私だって、お前がいなくなったら寂しいって思うよ。 引き止めたいって思う。」 咲良は笑い始めた。 私は茫然とする。 「めぐさんがそんなこというなんて! さっきの冗談です、私の好きな先輩がそんな冷徹だと思ってないですって! わっちょ!叩かないでよ!」 こいつは… 「あれ?そういえば鞍馬先輩と帰らないんですか?」 「あ~! 忘れてた! 今日一緒に帰っるって約束してた!」 「ほらほら、私なんてほって彼氏さんのところ行ってあげなさーい」 確か今日は男子はまだメニューをやってるはず! 急いで引き返そうとする私に咲良が囁く。 「ありがとうございました」 我がチームメイトは私の素晴らしい青春そのものだ
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