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なにか、違うものを撮っている気がする。修学旅行に来てからそんなのばっかりだ。
そろそろ時間だしお参りするか。
五円を入れて、ニ礼二拍手一礼っと
…えと、さっき雨宮がなんか言ってたな、農業の神様?
ことしはみのりがおおくなりますよーに
「あ!ようだ。こっちこっち!」
お参りを済ませ、集合場所に集まるとすでにみんな集まっていた。梨佐がぶんぶん手を振っている。
「んじゃ、上行って鳥居見に行くか。」
千本鳥居といわれるたくさんの寄贈された鳥居が立ち並ぶ道の中は、想像以上に鳥居が立っているので昼でも薄暗い。鳥居の朱と暗さ、もれ落ちる光が合わさり神秘的な雰囲気を作り出していた。
翼が鳥居に手を伸ばし、歩きながら側面に触れている。トントントンと音が響く。
俺は翼とその手をつないでいる梨佐の前に回り込み、写真を撮る。
翼は鳥居に夢中でそっぽを向き、梨佐はこっちにピースを構えていた。
二人らしい風景、これはうまく撮れた。
「洋、私たちも撮ってくれる?」
雨宮からの依頼で健斗とのツーショットを撮った。
「こんど印刷して渡すわ。」
そういうと健斗が
「お前のもとってやる。梨佐と翼も入って。」
ほーいと梨佐が俺の腕をつかみ近づいてくる。健斗がスマホのカメラのシャッターをきる。すぐにlineのグループにその写真が送られてくる。
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