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「このたこ焼きふみかが食べて熱すぎて戻したやつだね。」
「やめてやれって。結構気にしてたから。」
「あはは、好きな人近くにいたんだっけ。
こっから今日の分だね。お稲荷さん。今の時間だともっと真っ赤になってるかもね。
あっこの写真いいね。」
梨佐が目をつけた写真は伏見稲荷で撮った鳥居と梨佐、翼の写真。
やはり、いいできだったらしい。
「俺もこの写真はいいなって思ったんだ。なんでだろ。」
梨佐はう~んとうなってこういうことかなと言う。
「たぶんようの言う綺麗な写真は風景写真とか集合写真とかなんだと思う。
どっちも写り気にするし。
で、素敵な写真っていうのはその時にしか撮ることのできない瞬間を切り取ったものなんだと思う。
この写真はどっちの要素も入ってるからいいんだと思うな。」
いつも、あほっぽい梨佐からは想像できないくらいまともな意見。
「そういうことなのかな…」
「わたしも昔は旅行とかで写真よく撮ってたんだけど、なんか撮っても楽しいこととか綺麗なものとかそういうの表現できなくて、そういうことできないなら撮らないほうがいいかなと思って写真撮らなくなっちゃったんだ。
思い出を形にするのは難しいね」
そういうと梨佐は舞台の柵に近づきそこから見える景色を眺める。
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