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思い出を写真にするか…
確かに難しいけどそんな写真を撮っていきたい。
梨佐と京都の風景を一枚撮る。
構図、カメラの設定はうまく撮れた。
けど、何かが違う。
俺の顔を覗き込む梨佐。
「ダメだったの?
たぶんそれは私と気持ちが違ったからかな。思い出が詰まった写真を撮りたいなら、被写体と同じ心境にならなきゃダメなのかもね。」
いい写真が撮れますように。
梨佐がいきなり手を合わせてお願いするようなしぐさをとる。
「あのさ、わたしね。ようのことがね。
すき、なんだ。」
梨佐が真っ赤になってそうとぎれとぎれに俺の顔をしっかり見て言った。
さっきの神社でのこともあって梨佐の気持ちを薄々感じてはいたけど、今言われると思ってなかったからかなり動揺してしまった。
いや、いつ言われても同じだったかもしれない。
「ね、一緒に写真とろっ?」
梨佐は突っ立ったままになってしまった、俺の肩に腕を回す。手には梨佐のコンパトデジカメ。
「はい、チーズ!」
フラッシュが光り俺と梨佐を照らす。
出来上がった写真は構図的には俺らが左に寄りすぎていた、その他はカメラの機能が素晴らしく、夕日人物モードで撮られた写真はそれなりに綺麗だった。
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