「淑女、きっと淑女」

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昼休み 姉「むぅ、弟は一体どこにいるというんだ……(スタスタ)」 「もう、たかっちゃんはどこにいるのかしら……(スタスタ)」 「……あら、生徒会長じゃない。こんにちは。私の旦那知らない? 見つからないのよ」 姉「む、黒髪ひね男の嫁か。いや、知らんな。それより、私の夫がどこにいるか知らないか? 見つからないんだ」 「夫呼びなのね、それもいいわね。たかっちゃんのことを紹介する時は夫って言ってもいいかも……いや旦那も捨てがたい……」 姉「旦那……弟を旦那呼び……むぅ、それも中々……」 「ハッ、そんなことはまた後ででいいわ。たかっちゃん探さないと」 姉「なんだ、予定でもあるのか?」 「お昼ご飯一緒に食べるのよ。そっちは?」 姉「こっちもお昼御飯を一緒に食べるんだ。と言うか、そんなに急いで探しているなら電話でもメールでもすればどうだ?」 「何言ってるの、連絡手段もなく会うのがなんか運命の赤い糸で結ばれてる感じがして気分良いもの。だから歩き回ってるのよ。そっちこそ電話やメールしたら?」 姉「こっちだって運命的邂逅を目論んで歩き回っているんだ。電話やメールは最終手段だな」 「……ヤケに気が合うわね」 姉「……だな。若干驚いている」
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