「淑女、きっと淑女」

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姉「ふむ、何度か貴様と顔を合わせてはいるが、二人で話しをするのは初めてだな。なんか嫌だな」 「なんで嫌なのよ。あと貴様って呼び方やめて欲しいんだけど」 姉「なんか嫌じゃないか。ほら、貴様と二人ということは、弟と一緒にいない私が今ここに存在するということだろう? ああ、もう嫌だ。弟の髪の毛に顔をうずめてうっとりしたい」 「貴様って言うのやめる気ないわねあなた。まぁいいわ。と言うか、それって私と二人でいるのが嫌というより、あなたの弟さんがいないってことが嫌ってことじゃない。依存してるのね」 姉「今ここに黒髪ひね男はいないんだぞ」 「嫌ぁ! たかっちゃんが手の届く範囲にいないなんて考えたくもない! たかっちゃんのほっぺすりすりちゅっちゅしたい! 今日帰ったらしよっと!」 姉「貴様も大概酷いぞ。と言うか、うわぁ。黒髪ひね男が絡んでいるとなると、そのイチャコラ話はなんか聞くに耐えないな」 「なんでよ! いいじゃない別に! たかっちゃん可愛いじゃない!」 姉「かわ……いい……? …………か……わ……いい……? か…………わ……?」 「可愛いわよ! そんなに茫然自失となるようなこと言ってないわよ! 甘えんぼうなたかっちゃんはね、いつも寝るときに」 姉「あーあーやめてくれなんか生々しい知り合いの情事の話とかちょっと私には堪えるんだ部長さんくらいすっとんきょうな下ネタなら笑ってられるけどこの感じは笑ってられない苦笑いになりそう」 「別に情事までは発展してないわよ! その道すがらよ!」 姉「もっと聞きたくなくなってきたんだが」
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