「淑女、きっと淑女」

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姉「油をぶちまけた水たまりくらい澄んでるな」 「デロデロじゃないそれ。シロツメクサに付いた朝露くらい透き通ってるわよ」 姉「二分後には枯れるな、そのシロツメクサ」 「毒性を付与しないで。そういうのは全部ゴールデンウェーブ・モンスターに言ってよ」 姉「その恥ずかしい呼び方やめろ。同じセンスの人間だと思われたらどうする。あまりの恥ずかしさに表を歩けなくなるじゃないか」 「よくもそこまで人のセンスをメッタメタにできるわね。恥ずかしくないもの! たかっちゃんに言ったら絶対『センスあるね!』って言ってくれるわ!」 姉「気を使ってるんだぞそれ。はぁ、こんな面倒くさい彼女がいるとは、流石に不憫だなぁ。貴様は私を見習うべきだな」 「反面教師としてね。分かる分かる」 姉「模範としてだ。分かれ」 「いやブラコン模範にしても私どうしようもないから。因みに私的にたかっちゃんはお兄ちゃんって感じね。それも甘えんぼお兄ちゃん。いざという時とっても頼りになるところとかがそれっぽいわ! かっこいいわ! 処女あげなきゃ!」 姉「日本のモラルが著しく低下していっているのを、今ひしひしと感じているぞ。少なくとも貴様は淑女ではない。私は淑女だけど」 「いやそっちこそない。私は確実に淑女だけど」
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