「紳士、変態紳士」

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「んなこと言われたって分からんもんは分からんもん」 弟「もんじゃねぇよ! あんたのもん、で喜ぶのはあんたの彼女と白燐会長だけだ」 「あーちゃんに喜んでもらえるなら満更でもないな」 弟「それならあんたの彼女の前だけでしてくれ。あとさっきから言おうとしてるのは目合いだ」 「なっ……! 何サラッととんでもないこと言ってんだ! 消される! あねちか消される!」 弟「これで消されたらとっくの昔に消し炭になってるわ。と言うか付き合ってるんだから問題ないもんなんじゃないのそういうのって俺はよく知らんけど」 「聞き方ふわっふわだなお前。あと問題あるわ! そういうのは結婚してからだ! 婚前交渉なんてはしたない! いけませんわ!」 弟「白燐会長の口調が出てるぞあんた。今時は婚前交渉が主らしいぞ嘆かわしいことに」 「なんだと……!? 普通結婚してからだろ!? きちんと責任は取れるのか!? その人と一生一緒の人生を送るんだぞ!? よく検討しようや! ウチは問題ないけど!」 弟「古めかしいなあんた……。何でも最近の若者は複数と関係を持つことも珍しいことではないそうだ死ねばいいのに」 「お前語尾に殺意がまとわりついてるぞ。と言うかなんて気が多いやつが多いんだ! そういうのはフィクションだけで十分です! 何故人は誠実に生きることが出来ないんだ!」 弟「なんだか高尚な話になってきたな。何が誠実で何が不誠実かなんて言い出したらそれはもう哲学になるぞ。カントみたくなるぞ」 「有名な哲学者の名前を出すんじゃねえ! あの人は啓蒙を高め過ぎだ! 人に究極の理性を求めるのはあまりに酷だと俺は言いたいね!」 弟「カントにそれ言ったら憐れみの目で見られそうだな。彼の人曰く、神を信ずれば幸福であり、それを求めないは不幸である、みたいなこと書いてたぞ著書に。めちゃくちゃ大雑把でテキトーな言い方だから間違って伝わってそうだけど教養ある読者なら当然カントくらい知ってるだろうし問題無いよね」 「まずギャグカテゴリで哲学者の話する時点で俺たちに問題があるわ」
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