「御令嬢たちの優雅な昼下がり」

5/21
前へ
/310ページ
次へ
白燐会長「もしくはくしゃくしゃに丸めた紙みたいな顔ですわ」 ダスト「うるせぇ顔しかめさせてんのはお前が原因なんだよ。頼むから少しでも人間らしい言動をするように心掛けてくれ。人間社会に紛れ込んでいるんならな」 白燐会長「なんですかその新人漫画家が描いた第一話の導入部分みたいなセリフ。そもそも私人間ですってば」 ダスト「お前は本来規制される生き物だから、新人漫画家には扱いきれねぇよ。せめてキャリア六十年はないと精神が崩壊する」 白燐会長「表現の自由の侵害ですわ! 確かに私の可憐さは常人には扱いきれないでしょうけどね」 ダスト「禍煉さ? なんか地獄の拷問でありそうだな」 白燐会長「可憐さですわよ! 端的に可愛らしさですわ! あの雨宮様を虜にできる魅力を持った私はある意味世界一可愛いと言っても過言ではありませんもの」 ダスト「虜にしてるっていうか取り憑いてるって感じだけどなお前。所謂呪いだろ、お前呪いの擬人化だろ」 白燐会長「まぁ、愛と呪いは紙一重ですからね。私の純粋な愛情は、歪んだ人からはそう見えてしまうのも致し方ないかもしれません」 ダスト「サラッとディスられた。死ね」 白燐会長「しかし見る人が見ればすぐに分かります。私と雨宮様は相思相愛で毎日毎日喋喋喃喃、比翼連理で海誓山盟だということに!」 ダスト「どこにお前と黒髪ひね男が互いに愛し合って毎日毎日楽しげに語り合い、男女の情愛が極めて深く男女間の変わることのない誓いがあるってんだよ」 白燐会長「翻訳ありがとうございます」 ダスト「黙れ死ね。お前には愛多憎生がお似合いだ」
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1195人が本棚に入れています
本棚に追加