「激辛好きはお留守番」

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姉「ハッ、そんなことはどうでもいい。私は弟のためにお菓子を買いに来たんだ」 妹友達「私のもですよね?」 姉「そんな約束は忘れたな」 妹友達「ものの数秒で約束が反故にされた」 姉「元からあんな口約束を真に受けるな。さて、例の劇薬お菓子を探すか」 店長「うーん否定できへんのがまた酷い」 妹友達「そんなものコンビニに置いとかないで下さいよ……」 店長「ある程度売れるんやからしゃーない」 店員「それなりに捌けますもんね、あれ。主に買っていくの弟くんと、弟くんの妹さんですけど」 妹友達「ああ、劇薬お菓子ってあのめっちゃ辛いやつですか……」 店長「うわっ、あれ食べたん!? 何があったか知らんけど、わざわざそんな苦しむ方法で自殺図るのやめときよ」 店員「多分贖罪、ってやつですよ。あの子悪いことばっかりしてそうですし」 妹友達「どんだけお菓子離れした劇薬なんですかあれ。あと悪いことはちょっとしかしてません。妹ちゃんが嘔吐するように仕向けたりするくらいです」 店員「えげつなく悪い」 姉「腹パンでもするのか? 手加減するなよ?」 店長「絶対姉さん、近いうちに弟くんにしばかれながら怒られるわ」 姉「………………」 店長「最近怒られてるんかい! 懲りろ!」 姉「……私の妹に酷いことをするなんて許さないぞー」 店員「めっちゃ不貞腐れてるんですけど。この世の理不尽を呪ってる顔なんですけど。妹さんに対する理不尽の塊みたいな人間の癖に」
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