第1章

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「父の日に贈るプレゼント」 「お父さんの似顔絵」 そのたびに、真っ白な俺と、困った顔をする先生。 今時は、離婚なんて特別珍しいことではない。 だけど、当時は親が一人しかいない。 それは、とても歪な家庭とされていた。 口さがない大人たちは、「あの子は父親がいないから、しょうがない」と決め付ける。 それが、自然と子供に伝わり。 「お前、父さんいないんだってな」 残酷な言葉として、二重に俺を傷つけた。 だけど、一番傷つくのは、母だと、気づいていた。
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