第1章

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今窓に映る自分の姿は、ただの大人の男。 これが、夢だったんじゃないか。 夢なんて見なくたって、時間がたてば、勝手に大人になることがわかっていた自分。 おかしなもので。 心身ともに大人になった今。 探しているのは、夢だった。 誰かのために見るものではなく。 誰かのために願うものではない。 そんな夢を。 急に息苦しくなって、ネクタイを緩める。 窓の外は、雪がちらつき始めていた。 人がたくさんいて、暖房の効いた車内とは別世界。 この空間は、自分の場所ではない。 今も、凍える部屋で、震えている自分がいる。
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