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「綺麗だよね。高梨さんって」
まともに言われると恥ずかしいなぁ。でも、真に受けるのも違うし……お礼を言って調子に乗ってると思われても不本意だ。
「……そんなことないですよ」
「三浦の下にいるのが悔しいよ」
「赤崎さん、嘘はダメですよ。1課に綺麗な方いっぱいいるじゃないですか。社内にもたくさん」
「でも、彩星ちゃんに本気だとしたら?」
赤崎さんは、持ってきたばかりのサムライ・ロックを口に含んだ。
音楽がジャズからR&Bに替わってより賑やかさを後押しする。
「あの扉の向こうに行こう?2階の方がもっといい場所だから」
私の返事を待たずに手を引く彼の力強さには、お酒のせいで抵抗できなかった。
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