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「赤崎、ここにいたのか。ちょっと話がしたいから下りてきて」
中里課長が2階に上がってきた。
「……三浦部長もここにいたのか。後で一杯飲みましょう」
「中里課長、ありがとうございます」
ソファーから立ち上がって、会釈をした部長に微笑みを返した課長さんは赤崎さんを連れ戻っていく。
「彩星ちゃん、また後でね!」
苦笑いで返したけれど、また後で何かされるのは勘弁してほしいなぁ。あんな簡単に腰に手を回されると、逃げたくなるばかりだ。
「……早く座れば?」
部長は一足先にソファーに座り、長い脚を組んで私と神谷さんを見上げていた。
「もちろん。なぁ、夏輝1人で飲んでたのか?」
「いや、さっきまで田村さんがいたよ」
「あいつも積極的だな」
「興味無いし、迷惑だからやめてくれとハッキリ言った」
「お前、残酷な振り方するなよ。来週宥めるの俺の役割なんだから」
「ご愁傷様。高梨さん、座らないの?」
そう言って、部長は隣をポンッと叩いた。
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