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「お待たせ」 初めて聞いた声に、部長が視線を外した。 「なに見つめ合ってんだよ、夏輝。そういうのは他でやれよ」 一緒に戻ってきた神谷さんが、部長の行動に呆れ顔だ。 「高梨さんの瞳が綺麗だと思っただけ」 「お前、赤崎と同類?」 「あんな軟派と同じにするな」 き、綺麗って……なんでそんなこと言うの?それに、仕事中の部長とは雰囲気が違う。微笑んでくれないし、なんていうか……冷たい。 「優、この子は?」 「モヒート」 「違うって、どなたか聞いてんの」 「高梨 彩星といいます。三浦部長と神谷さんには」 「新しく入ってきた、可愛い俺の部下」 部長が私の言葉を遮って紹介をしてくれたけれど、可愛い部下と言われると照れてしまう。 「俺、ここを経営してる井上 誠です。優と夏輝は大学の友達で、よく飲んだりしてバカばっかりやってるんだよ」 誠さんが、私の前にミントがぎっしり入ったモヒートを置いた。 「お疲れ、俺。キールロワイヤルとか久々だわー」 神谷さんが、やっとお酒を飲み始めた。
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