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「お前よくやった!」
原田さんが神谷さんの頭を乱暴に撫でる。せっかく格好よく決まっている髪型が……。
「課長、こんな美人が来たら、仕事にもハリが出ますよねぇ!」
「そうだなぁ。それにしても今日はちょっとペースが早いんじゃないか?」
気付くと原田さんのロックグラスは空だ。
「大丈夫っすよ。神谷おかわり頼んで」
神谷さんがボタンを押し、店員さんに足りないものを一通り注文している間、私はまた質問攻めだ。
「彩星ちゃーん、こっちきて話そうよー」
ちょっと離れたところにいる営業さんに呼ばれた。
課長さんに一声かけようと思ったけど、原田さんと1課の女性陣に囲まれている。
「高梨さん、大丈夫?あっちに抜けても平気だからね」
「神谷さんこそ、大丈夫ですか?」
こっそり話す神谷さんにつられて、私も小声になる。
「ずっとジンジャーエールしか飲んでないんだ。酔ったフリしてるの秘密にしてね」
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