第1章

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「 じゃー、最初はこれ!」 ポンと左手に硬くてひやりとした感触の物を置かれた。 「 んーとね!なんだろ。車だよね?」 「 聞くのは禁止だ!」 「 翔太はすぐ答え言うからな。」 「 あははっ」 「 聞く方が悪いんだろ…。」 「 っし。要、石とるぞー。」 そうだった、石を取るんだったっけ。 子供の頭というのは単純で、さっきまで不安だったのに新たな遊びを見つけてしまうと最早どうでも良くなるのだ。 「 うん、おねがーい。」 僕は左手に集中し、しょーちゃんのおもちゃの特徴をつかむのに一生懸命になった。 「 あ!わかったパトカーだ!」 「 せーかいっ、早いな要!」 「 えへへ。」 「 次はコレ。」 新たに物を手渡され、また僕はその感触を確かめる。
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