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「 んーっとねぇー。っ!じーちゃん、ちょっと痛いー!」
「 おぉ、すまん。」
「 要っ!それ、わかったか?」
「 ん?あぁ、うーんとねぇ。あ!猫大臣でしょー?」
猫大臣はよくヒーロー遊びをするときの敵役の指人形。
「 正かーいっ!」
「 簡単だよしょーちゃん!もっと難しいものちょうだい!」
「 えー、じゃあ要の手に文字書くからそれ答えてみろよ!」
「 しょーちゃん僕文字分かんないよー。」
この時はまだ小学校に入る前。
ひらがなは自分の名前くらいしかわからなかった。
「 大丈夫だって!いくぞー!」
不公平、なんて言葉はまだ知らなかったけど勝手に文字を書いていくしょーちゃんに少し腹がたつ。
「 やっぱ分かんないよ~。あ、二つ目は『き』でしょ!」
「 っ!要分かるんじゃん!」
「 だって『き』はしょーちゃんのみょーじの『まき』の『き』だもん!僕しょーちゃんの名前たくさん書いたから書けるよ!」
「 俺だって要の名前ぜーんぶかけるぞ!」
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