第1章

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光に慣れて目を開く。 最初に目に映ったのはしょーちゃんの顔で、次にうつったのはじーちゃんの手元だった。 「 は、はっ針!!?」 その横には何故かライターもある。 「 あぁ、これで石とったんだ。」 キラキラと光る針。 そのとき僕には苦手なものが二つあって、 一つはお化け。 もう一つは注射だった。 「 ひぃいっ!」 がしりと目の前のしょーちゃんに抱きつきカタカタと肩を震わせると、母親の真似をしてトントン背中を叩くしょーちゃん。 「 アレじゃないと石取れないからって、でも要怖がるから、だから目隠ししたんだ。騙してごめんな要…。」 「 …んーん。ありがとしょーちゃん。」 騙されたのはちょっと悲しいけど、また僕のことを思ってくれたのがたまらなく嬉しい。
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