第1章

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「 早く来いよ要(カナメ)!!」 「 ま、待ってよっ!しょーちゃん!」 さっき転んで擦りむいた膝が痛い。 転んでたのを見ていたはずの友人はドンドン先に進んでいく。 酷い。 痛いって言ったじゃないか。 「 はぁっ、はぁっ、はぁっ」 後を追ってたどり着いた公園の中心、水道がある場所で彼は手を洗っていた。 トコトコと近づくと、彼は血のにじむ僕の膝を見て焦ったように喋り出した。 「 怪我したらじいちゃんがすぐに洗えって言ってた!バイキンが入るって!」 「 ば、バイキン?」 「 バイキン入ったら足ちょん切るって!」 「 ちょん切る!?ヤダヤダヤダ!」 顔に両手を当てて、ヒーっと叫ぶ。 足が無くなるなんて絶望だ。 しょーちゃんの後ろを走れなくなるじゃないか。
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