第1章

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「 っし!次、手!」 転んだときについた泥だらけの両手も、ジンジンとした痛みがある。 足を引っ込めて両手を差し出すと、お母さんがいつもしてくれる手を添えてのゴシゴシを、しょーちゃんがやってくれた。 お母さんのように大きな手ではないけれど、しょーちゃんの手は暖かくて安心する…。 「 要、おれんち行くぞ。じーちゃんに診てもらおう。」 「 うん…。」 頼りになるしょーちゃん。 さっきは酷いなんて思ったけど、僕のことを考えてくれてたんだ。 嬉しい。 僕の手を引いて少し前を歩く君の姿はまさしくヒーローだった。
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