第5章

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「 ていうか、覚えててくれたんですね…」 僕たちはお姉様達から怒涛の質問攻めをくらい、一緒に美術準備室へと避難することにした。 『 鍵までかけないでよ桐谷くーんっ!』 扉の向こうから不満の声が聞こえてくるが、桐谷先輩は全部無視。 「 覚えてたよ。数ヶ月前だしね。 それに要君、すごく可愛かったから。」 可愛い。 普段はあまり言われたくない言葉だけど、桐谷先輩に言われるとちょっと浮かれてしまう。 「でも制服着るだけで大人びて見えるね。」 「 そうですか? 中身は全く変わってないんですけど。」 「 そうかな? 少し雰囲気が違って見える。 もしかして元気ないの?」 アタリだ。 今は元気なんてこれっぽっちもない。 翔太に嫌われてしまったかもしれないし。 「 …ちょっと沈んではいます。」 眉を下げて心配そうに僕を見つめる桐谷先輩。 「 そっか。良かったら話して。 話すだけでスッキリするかも。」 そんな先輩の言葉に諭されて、ほぼ初対面の人に僕は全てをつらつらと話してしまった。 「…って、すみません。 会ったばかりなのにこんな話。」 久々に再会したんだし、もっと明るい話題を話すべきだろ。 「 いいんだよ。 …要君は幼馴染の彼が大好きなんだね。それとバスケも。」 大好き…。 そう。 「 …大好きです。」
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