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「部長……」
耳に当たる胸板を通して聞こえてくる部長の鼓動は、思っていたより速い。
「なぁに?」
だけど、聞き返す声はいつもと変わらない冷静な甘い声。
「……ドキドキしてて、熱いです」
「彩星が?」
「いえ、あの……部長が」
「どうしてだと思う?」
「……えっ」
唐突な質問と持ち合わせていない答えに、不格好な返事しか返せない。
「まだ分からないの?彩星のせいだろ?」
本当は私の方がずっとずっと早くて、身体が熱くなっていることを部長はきっと気付いているはずだ。
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